アクス商会 本社とされるのは、ヴェルリアにある古い塔と、アルビクロムにある瀟洒な商館だが、そのどちらも扉の一つに過ぎない
実際にアクス商会が“存在”しているのは、ウィームの高級衣料店の中
その事実を知っている者は商会の中でも限られている
アリステル派 前任の歌乞いは政治的な思惑の犠牲になって死んだ。そう仕組んだのが、第一王子とガレンの密約だと主張するのがアリステル派
アルバンの山 82 特殊な牛や山羊を飼う酪農家がいる チーズの出荷元であるネアのお気に入りの元魔術師の酪農家タクスがいる
アルビクロム 学徒と書架の街 商業用に開発されたもののどこか雑然としている アルビクロムは第三王子の系譜412 876 アルビクロムの料理は最悪だが、珈琲だけは、泥水のような代物を売り出す悪質なお店を上手く避ければ、なかなかのものもある
あわいの列車 列車の祟りもの穢れた神433
ウィームは、イブメリアという祝祭を治める土地
ウィームの住民は旧北の王都のことは、“ウィーム中央”、或いは“北の都”などと呼んでいる
リーエンベルクのことも、過去の誇りを持って旧王宮と呼んでしまう者もいる
リーエンベルクの正面、街を挟んで反対側にはローゼンガルテンという薔薇の丘がある
薔薇の祝祭の日には祝祭の舞台となる場所
ヴェルツの最初の一歩は、漆黒の石畳
ヴェルツは、建材の黒大理石の産出地
最も暗い夜の来るヴェルツでは、純粋な黒の大理石が産出される
生粋の黒は珍しい為、ヴェルツの黒大理石は各国で重宝されていた
ヴェルクレア 王政
ヴェルクレアの王子は、五人
第一王子 ヴェンツェル
第二王子であったエーダリア
第三王子 オズヴァルト 先代の歌乞いであった婚約者を亡くし、失意で身体と心のバランスを崩したという気が弱く聡明
第四王子 ジュリアン ジュリアンの母親は、亡命した王族で元はロクマリアの姫 カルウィの王弟の正妃は、その妹
第五王子 まだ幼い アルビクロムの王族の出 ロクサーヌが溺愛している 黄色がイメージカラー
疫病封じの日を祝う少し怖いお祭り 七月に行われる 街のあちこちにはニワトコの花を添えた黒いリボンが飾られ、その白と黒のコントラストが美しい 薬草の花を添えた林檎の爽やかなケーキを食べて一年の無病息災を祈る469
ガーウィンは 円環状に広がったウィームと違い、見事に四角く区画整理されている ガーウィンを治めているのは、ゼベル達の伯父ロスベル412 428
カスティリオ ウィームより少し離れた、ザルツ近くの小さな町 カスティリオの花の魔術師、リシィ オリーブの魔術師、タリィ 雨の魔術師のハリィ
484
ガゼット 115 ウィリアムと最初に会った国 ヴェルクレアの西方に位置する中堅どころの国 国境域を面した隣国 白夜の国
カルウィの王 切れ者と言うより、貪欲かつ、残虐な男
住む人間の数と国土の広さだけで言えば、カルウィこそこの世界で一番の大国 元々王族の髪は、うっかり落として呪いなどに利用されないように、カルウィ王族の正装である布で覆うのがしきたり
豊かさで言えば、ヴェルクレアが随一686
カルウィ 第六王子ニケ
第二王子 アスファ王子 継続154
カルウィの花油の七区
315 カルウィの上位六席の王子達の領地に近しく、おまけに災いの子と呼ばれる竜が守護を与えた人間が住んでいる
グリシーヌの地 藤の館と呼ばれる見事なお屋敷がある
ヴェルリアとウィームとの境界となる山々の麓にある、水路と橋の街の辺境伯の屋敷
クロアラン
ゴーモントの街 706 砂漠の中に沈んでしまった 精霊が滅ぼした街 正確に言えば、残った精霊達を滅ぼしたのは雲の魔物
コーラ 国 正式にはコフヴィン・ラーラム508
サナアーク ウイリアムのテントがある ジョーイの管轄
ザハ 高価なチョコレートトルテが有名なウィームの老舗ホテル 十年程前に倒れた王家から出奔した料理人たちが奮起し、ザハという歴史は長いがあまり奮わなくなっていた高級ホテルの料理部門を安定させた129
ザルツ 790 ウィーム大聖堂前の大通りから真っ直ぐ歩いてゆけば着く、ウィーム領内ではウィーム中央に次ぐ大都市 唯一といってもいいのが名産品であるブルーベリーで、これはブルーベリーを司る妖精がザルツに永住しているので、甘く美味しい実が取れるからと修道院などで多く栽培されている
シュタルト ウィーム領
スール 南方の小さな国 国母である精霊を信仰する狂信的な国 良質なエメラルドの産地
チェスカ ネアとノアが出会った場所ウィームは世界の反対側
ノウンの薔薇園
315 周囲は見渡す限りどこまでも砂漠なのだが、最も暗い冬の新月の夜にだけ現れる 選ばれた者しか入れない王の庭園で、どのような階位であれ、王という名を拝していなければ入場は叶わない 爵位を持たない王も入れない この薔薇園には気候や季節がなく、足を踏み入れた者が最も関わり深い土地のものが反映される
フエビエの街の外れの森 ウィーム領の最北端に近い土地 絵付けの陶器などが有名584
ロクマリア 継承争いと疫病で滅びた国 馬鹿と言っても足りないくらいの王と愚かな王女、その王女を溺愛していた残虐な妖精によって滅茶苦茶にされてしまった 旧ガゼットを含む11の国にわかれている
ロクマリアが滅亡に向かったのは、西側の国境沿いの豊かな領地を、純白が食い荒らしたからだと言われていた672
マグダリ 709 花の国 国民は総じて美しい
祝福のある花の中で暮らしてゆくことで、美などの祝福を子供に授ける種類の妖精が多いのが理由
黒髪で緑の目をした者が多く、肌は優しいミルク珈琲の色
淡い淡い砂色のシンプルな作りの裾の長い服を着て、皆が朗らかに微笑んでいる
マグメルリヤの小島
モナ カルウィの隣の小さな国の国境沿いの町
モンスーリャ 76 山羊と茶畑しかない西の辺境の国
ラエタの国 高慢の国 魔物達に滅ぼされた、魔物に愛された国
この国を守護したのは、闇と小麦、そして林檎と白百合
ラエタと最も由縁があるのが終焉だ。終焉が滅ぼし、終焉はこの国を基盤に死者の国を作ったと言われている
ラエタには二人だけ生き残りというか、見逃された人間がいて、その人間の子孫がアルビクロムの王族
ランシーン この国の羊飼いは、魔術階位が高い順に高地に住む
ランテラの都 歌劇の都583
リムファン 盗賊団を起源とする国の王都 この国の民はその殆どが騎馬民族
ローデリィツィエ
121 アルテアは、その国で医師として暮らしていた事があった
夏の舞踏会 不老の祝福を得る
ネアは魔術可動域を増やしたいから行かない
それは成長しない部分 可動域を増やせるのは、幼児くらいのもの505
夢は春、星は夏、そして月は秋冬の舞踏会にはウィリアム
祝福の宝石を隠した雪を降らせるんだ。全員でその時に落ちてきた雪を手のひらに取り、その中に小さな宝石が入っていたら当たりになる
秋では、回ってきたケーキの中に指輪が入っていたら、秋告げの精霊の王宮に招待される
ディートリンデは閉ざされた空間の中に住む妖精だが、雪の最古参のシーであることから、冬告げの舞踏会の日だけはその会場となる空間に繋がる扉が、閉鎖されたあの森に現れる
細やかな泡の立つ美しいシュプリイブメリアの祝祭に欠かせないもの
クラヴィスの夜はアルテアの誕生日
祝祭前の二日は前夜祭となるので、人々はそれぞれの祝祭の為の特別な料理を準備し、家の前には必ず、祝祭の魔物達を労うリースを飾る
このリースを忘れると、時折祝祭の疲れから荒ぶった魔物達に食べられてしまう
イブメリアもカウントダウンの前々夜祭
バベルクレアの日は、前夜祭美味しいローストビーフをいただき花火を見れる
イブメリアの前夜祭 日付の切り替えまでを儀式で祝福するのが、二日目のクラヴィスの夜
イブメリア 祝福そのものの祝祭 修復の魔物が崩壊した日としての向きが強いが、本来は世界が再生した日
特定の力が弱まり、繋ぎの魔術や愛情の祝福、施しの呪いが動きやすい特異日でもある
ウィリアムは一年で最も力を弱める日
大晦日 エシュカルが飲める日 エシュカルは、発酵途中の葡萄酒
大晦日の夜には、怪物達が溢れかえる。
それは、一年で最もこちら側とあちら側の境界が曖昧になるからで、幾つかあるそのような時節の中でも、大晦日に出現するのは怪物と呼ばれるちょっと怖い見た目の生き物達
新年のリーエンベルクは、丸々閉じてしまう
暖炉の前で大切な人と語り合うという風習
新年の最初に訪れる祝祭は、ネアが昨年惨敗した星祭り
新年の最初の新月の日に、その年の初めての流星雨が降る。
初めての流星雨なので空の上の者達も張り切り、たくさんの祝福深い星屑がこぼれ落ちてくるのだ。
そうして、地上の者達は星屑が落ちてくるのを拾い集め、その星屑を握り締めて願いをかける。
そうするとその星屑が願いを叶えてくれるらしい
傘祭り
四年に一度のトレトレ祭り クッキーの祟りものの祭りがあっただろう?あれの、クッションのものだと思えばいい。潰れたまま叩いて膨らませて貰えないクッションの精霊が祟る祭り
影傘 654 祟りものの年になると、傘祭りに出現すると言われている幻の傘 トレトレがある年に確認される
復活祭の月や、収穫祭などの死者の日には普通に居る
火の慰霊祭 鎮魂の儀にあたる、霊を鎮め祟りを祓う
統一戦争の時にウィームで斃れた火の系譜の者は多いが、その中でも強く恨みを残す者達の怨嗟が、この雪の加護の途切れる時期になると、どこかでぼうっと赤黒い炎になって燃え上がる
ウィームはかつてこの怨念により大火に見舞われたことがあり、それ以降はこうして慰霊祭を行うようになっていた
エーデリアと呼ばれる幻の白い花
ウィーム領主でもあるエーダリアの名前の語源でもある、雪の系譜の薬草の中では最上位にあたる美しい花だ
雪草の一種であるが薬効が強い
望んだものを死に誘う美しいものという意味で、セイレーンの花とも呼ばれている
それでもこの花を求める者達が後を絶たないのは、エーデリアの花が不老不死を司る
私の足跡から生まれた花だ380
祝祭の結晶 ここまで大きなものは珍しいね。砂粒程のものはウィームではよく見かけるけれど、子供の手ぐらいはある 淡い白緑色で、奥の方に林檎のような赤い色が揺れている イブメリアのもの 祝祭に向ける喜びが結晶化して、ちょうどここで生まれた
イブメリアの結晶石は、リーエンベルクの会食堂のシャンデリアの補修に使われることになった
火竜の王の槍627は特殊 あの槍は、一人の対象に限り一度のみ守護や結界ごとその相手を殺すことが出来る道具 火竜の前王だった子が、終焉の魔物の影や足跡を紡いで、火の精霊を一人生贄にして作ったもの
父殺しの槍と呼ばれる因果の精霊の祝福の武器の一つで、子が父を殺すということにかけては、決して避けようのない一撃を与える事が出来る
鳥籠 38 国が滅ぶ時には、必ず、ウイリアムを筆頭とした終焉に従事する魔物や妖精が呼ばれる 死に纏わる魔物が集まる時は、その毒が漏れ出さないように、鳥籠と呼ばれる結界を作って国を封鎖する
紐くぐりってのはね、ちょっとばかり特殊なお作法で使う拘束紐のことだ。怨念や情念なんかが篭りやすいから、年に一度その紐を浄化する祝祭がその町であるんだよ。そうすると、その紐を使ってひと騒動起こしたい妖精が、祝祭の本番の前に行う浄化の儀式を邪魔しに来る692
魔術独自の通信技術があり、指先程の通信端末が声を繋ぐことが出来る
とは言え、かなり高価な魔術道具であるし、端末の材料となる精霊の卵も希少なのでさほど流通はしていないのだが、このウィーム中央では珍しくはないという程度には親しまれている
携帯出来ない通話手段であれば、水鏡を張り、そこで映像と音声通信をすることも可能
魔物の指輪 庇護や魔術が体に馴染みきると、解けて溶けてしまう
ルディガエルの鋏 634 鋏は優美で細身
夜の盃 77 “願い”に近いものを叶えてくれる 薬用酒は出るんです。だからあれは、あくまでも飲料専門
夜の時間石 635 夜の系譜の生き物達が、新年の祝い膳のときには夜明けを調整するのだ。腕を振るう料理人達が早朝から仕事が出来るよう、その日だけ夜明けを告げる夜の時間石を使って、夜明けを早くしてくれる
死者の国は、生者の場合は罪を犯した方が落とされる場所
門を開くのが手間だから、国家的な重罪人を落す場所とされている
昼と夜が逆
食べ物も飲み物も問題ない だが、味は随分と曖昧
こっちの世界の住人に、名前を奪われると帰れなくなる
名前の書いたものを取り上げられると、死者の国の住人になる儀式が完了
墓犬 死者の国の門番 黒い大きな犬の姿 管理者の中では意思疎通が可能な知能を持っており、衛兵としての役割もこなす
花売りの影法師 もやっとした影が動いているもので、姿を持たない家事妖精に似ている。
ただし、影法師はいつも焦げ臭い匂いがして体の一部がぼうっと赤く燻っているので、火の事故で死んだ死者の成れの果てだと言う者もいるそうだ
彼等はいつも真っ黒な花を売り歩いており、その花を買うと同じ花売りになってしまう
意志や感情などがないとされている彷徨う存在であり、自死により死者となった者などは、早々に自ら花売りになってしまう
黒兎の掃除婦 ファービット 戒める者という意味 人間の体に黒兎の頭部を持つ掃除婦達
この存在が一番厄介であり、掃除婦達は定期的に現れては、無差別に死者を食べてしまう
枝切り鋏を持つ掃除婦と、箒を持つ掃除婦がおり、かならず二人一組で現れる
枝切り鋏で細かくされてしまって食べられた後、残った衣服などのゴミを、箒の掃除婦が片づける
死者が増えすぎると現れるだとか、調和を乱すと現れるとか言われており、死者達も出現条件がわかっていない
掃除婦さんに出会ったら「死ぬ気で逃げる」墓犬が出てくると掃除婦が消える
黒い鳥 死者が正式な手続きで住人にならないと、あんな姿になる
鹿角の聖女が亡くなった後に、その信徒達が教会組織を再編成した信仰の復活の日にあたる。
よって、この日の死者の門は、ヴェルクレアの中ではガーウィンと王都の一画でしか開かない
復活祭には、鈴飾りとはまた別に、全ての食事の時に辛いスープを飲む風習がある。
これは、鹿角の聖女を失い消沈していた人々を、後に聖人として祀り上げられる一人の男性が、辛いスープで元気付けたのが始まり
落ち込んでいないで、生を謳歌しろという物理的な激励である
魂には匂いがある 魔物は濃密な花の香り、人間は草の香り、妖精は水の香りがする
最も短命だと言われる中階位の魔術可動域の人間ですら、平均寿命は百五十年程
エーダリアのように魔術可動域が格段に広い魔術師となると、妖精と同じくらいの寿命を得るものもいる
春を司る者は四柱 春宵の魔物と、春闇の竜、春風の妖精に、春告げの精霊 精霊が最も高位だが、これはもう実体を持たない階層
哺乳類寄りに偏るウィームに対し、ガーウィンでは爬虫類系統のものが多い
アルビクロムでは煙や影などが多く、王都のヴェルリアには水に纏わる特徴を持つ者が多い
ヴェルリアにはラッコ型の魔物や、イルカのような妖精もいる
魔物と妖精は、竜が振りまく愛情はあまり評価しない
竜は、愛した者に殉じるのが大好き
望まれた事に応えるのが竜で、望まれないことでも手を尽くすのが、魔物や妖精
夏至祭に妖精に口付けると婚姻が成立する
魔物の血を取り込むこと、魔物から装飾品を貰うことも婚姻の扱いになる
夏至祭の夜は、家事妖精達を休ませている
夏至祭に林檎を食べると、生涯の伴侶や、生涯の友人と出会える
妖精の成人は百年 竜は二百年 精霊では五百年かかる
普通の妖精であれば五百年程度
シーと呼ばれる妖精の王族は、千年以上もの寿命65
妖精の庇護を受けた人間は長生きする
魔物の庇護は加算なら、妖精の守護は修復
転属とは、種族の書き替えの儀式632
主に妖精が持つ手段であり、自分の伴侶を婚姻から一年程かけて妖精にしてしまう手段である
妖精の粉 妖精が幸福な時にしか落とさないものだから、それ自体が幸運の魔術を司る
死の舞踏が紡げるのはあくまでも羽の庇護のある相手にのみ412
代理妖精 各機構の要職に、主人の代理として就く妖精のこと 主人と同等の権利を持つが、誓約で絶対の忠誠を誓っているので、主人の不利益になるようなことはしない
代理妖精には二つの分岐があり
交渉や調整、知識の提供に長けた者を盾、護衛や暗殺に長けた者を剣と呼ぶ
中には剣であり盾でもあるという稀有な妖精もいるが、大抵の者はそのどちらかに振り分けられていた
妖精が羽を光らせるのは、恋をした時と、激怒したときだけ でも、光らせた上に妖精の粉を落とすのは、恋をした時
ただ一つ、羽に触れさせるという行為は、妖精独自の感覚として、口づけに相当する行為
外羽への接触は、恋を乞う口づけとされ、内羽への接触は、より濃密な求婚の口づけ65
妖精の婚姻は、とても簡単
内羽に触れ求婚し、内羽に触れさせてその求婚に応える
ここまでを、人間で言うところの婚約とする
捕らえたことのある妖精を再訪する際に、その妖精の象徴を身に纏うのは嫁入り扱い
継続80
妖精を娶ると、掌に花の模様が浮かび上がる
付け根のあたりが淡い菫色になり、それは妖精が守るべき大事な者を見付けた証
火の系譜の赤は、強くてはっきりとしている。滲むような色合いの赤には注意した方がいい
体に薄紅色、薄桃色の色彩を持つ妖精は、淫奔で人間の誘惑に長けている
妖精の祝福を受けると、無作為に選択した異性を惹き寄せる 見境なしに作用するので、とても危険
○○精霊○○
精霊の最高位は死の精霊
精霊の空間で飲食すると、その精霊の一部を取り込んでしまったことになる 場合によっては帰れなくなる
多くの精霊達はその属性を季節によって変えることが多いが、季節ではない時間に縛られる精霊達は、稀にではあるがミカのように季節によって姿を変える
黄昏や黎明、ミカとは対になる正午を司る精霊がそれにあたる
黄昏と黎明が女の精霊であることと対になり、正午と真夜中は男であるが、黎明が幼い少女であるように正午は老人の姿をしている
魔物は成人した姿の者が多く、女達より男の方が階位を上げやすいという。確かに今代は男の世だと言われているが、精霊の場合は突出した力を持つ者には女も多い
階位と、その性質の違いがある 精霊は自然から成り立つもの まだ精霊と呼ぶには若い種族のものは、精で呼び名を止める 他にも、精霊に区分されていても妖精に近いものだとか、幾つか理由がある478
○○竜○○
竜は、首裏が最も弱い逆鱗
人型になり言葉を交わせる竜は、死ねば砂になる38
竜が喜びに歌うのは最高の祝福
竜種の最高位でもある光竜は、その魔術階位の高さが仇となり、擬態が不得手 光竜の王宮には、いざという時の為に着るだけで精緻な擬態を可能にするという光竜の外套があった
氷竜はリーエンベルクへの守護を放棄してしまっておりますものの、統一戦争より前から騎士をされている隊長にとっては、リーエンベルクにお住まいの人間の方は心のどこかで未だに庇護の対象でもある
賢者の血族 竜は、賢者と呼ばれる者が生まれると、その竜が死んだ後にも翼の一部を残しておく そしてまた同じ特徴がある子供が生まれると、その翼を煎じた薬を飲ませて、賢者の知識を受け継がせる
雪竜や氷竜は、その国で生活をする場合は一年の大半を、閉ざされた国の中で眠って過ごすことになる
地竜の性質の一つなんだ。地竜には二種の気質を持つ者がいて、大地の荒々しさを司る者と、大地の暖かさを司る者がいる。前者の竜達が高位を占めるが、後者の者達はとにかく様々な者達に好かれる
○○魔物○○
白にも階位がある 一般的に公爵位相当であれば、五人程
実際に公爵として統括の役目が可能な地位にある魔物は、全部で十四人
判別し難い白を持つ者も多い
公爵位ではない白を持つ魔物は三十人くらいいる
需要のある魔物は、新しく派生する
下位の魔物の髪は、魔術を編むのに必要
魔物に殺された人間は、例外なく亡霊になる。
通常の輪廻の輪に戻るまで猶予を必要とする亡霊達は、魔物に殺されたという魂のひびを修復するまでの百年あまりの期間、“あわい”と呼ばれる特別な死者の国で暮らしているそうだ。
そんな亡霊達がこちら側に這い出してくるのが、復活祭や収穫祭などの特殊な祝祭の期間である。
死者の日と呼ばれるそれらの日に至っては、ほとんど生者と変わらぬ質感でうろうろするので、大変に紛らわしいのだとか99
騎士が多いのは終焉の系譜 王族相当の者は一人だけ、その下の公爵は体に白を持ち領地を治める資格を持つ 領地を持たない公爵や王族相当の者は、調停者や相談役として、他の公爵達に知恵や力を求められることが多い その下の侯爵達は、白を持たずとも司るものの力によって白持ちに近しい能力を持つ者達 爵位がある魔物達は皆城を持つが、人間の城を持つような者達とは違って、自らが望まない限りは下位の者達や系譜の者達に責任を持つことはない 同一個体や、同じ名前の魔物が他にいないことが条件になるが、あくまでも、それぞれが己の資質の王であるという認識
統括の魔物はね、その国にいる魔物達の統括役だよ。特に縛りはなく常駐もしないけれど、戦乱や王の交代など、要所では混乱を治める役割を果たす
契約の魔物 色恋に転じる異性よりも、その多くの時間を罪の意識なく切り分けてしまう、血族や同性の友人達をこそ、嫌厭する傾向にある
歌乞 歌に乞われた魔物が現れたら、契約と成るかどうかの選択肢はこちらにはない
地面に巣を作る以上のことは出来ない蟻の魔物であっても、魔術可動域は八の数字を叩きだすらしい
核は、その魔物の力や魂の欠片343
魔物は精霊が苦手 争い戦うときのそれではなく、気質的な相性として苦手だとされている
逆に精霊は竜を不得手としており、竜は妖精に騙されることが多い
髪には魔力が溜まるから、魔物の器質も出る
一番うねりが強いのはアルテア
婚姻も、養子も、財産などの譲渡が絡むため、魔物と縁組をする人間は案外多い
ディノとウィリアムの名前は、先代が残したもの553
先代の万象は女性だった553
同じように、先代の終焉もまた女性であった553
世界の片隅にその名前を残していってくれていた553
ネア 553
私の名前は、父の一族が暮らした土地の森に住む、古い女神、或いは古い聖人の名前をとってつけられたものなのです。両親はその森で出会い、その森で仲を深めたそうなので、思い出の名前だったのでしょう
ネアハーレイという名前の女性は、森の教会に属する聖人であるとか、或いはその教会に下り立ち、人のふりをした天使であるとか、はたまた掘り下げてゆけば森の始まりの頃よりある古の女神の伝承が変化したものだとか、諸説あったようだ
○○統一戦争前○○
ウイーム王 エーヴァルド 光竜の血を濃く受け継いでいる 雪と花の魔術が得意
王妃 リーダリア
第一王子 ディヴァート
第二王子
王女 生き残るため名前を封じられ兄の代わりになる、史実に残る最後のウィーム王の名前を持つ 仮リリィ 契約の妖精ディアレータ(ディートリンデの妹) エーダリアの祖母 契約の竜ジゼルの溺愛する雪竜の双子
770 名前のない王女とされ、殺されたことになっていた彼女は、死んだ兄の代わりに王座を継ぎ、父と共に最後のウィーム王として国を治めた
リリィという名前は、そんな彼女を女性として呼ぶ為に用意された、親しい者達だけが知る特別な名前であった
ラザル リリィの兄第一王子ディヴァートの契約の竜であった 雪竜の王子の一人 ジゼルとは腹違いの従兄弟 ディヴァートがいなくなり亡くなったことにして人間に転属してリリィの伴侶となる エーダリアの祖父
○○統一戦争○○
火竜の王は、常にヴェルリア王の契約の竜であるというのが、一族の定め
ヴェルリア王家は決して火竜の王族を損なってはならない653
ドリーの兄(エヴナ)はある日、自分がこの世で最も守りたく、この世で最も大切なものが出来たことに気付いたそれは、友人であったウィーム王(エーヴァルド)
当時の火竜の王だった兄が、その大切なウィーム王がいるリーエンベルクを落とした
王になってしまった兄は尚更強い契約で縛られた ウィーム王の友人だった兄の最初の契約の子供を殺した者が新たなヴェルリア王(バーンチュア)になっても、その庇護を続けなければならない程には、契約の拘束は強かった652
この身をもって、ウィーム王国滅亡の呪いは完成する。
契約の火竜の終焉の祝福を持つ槍と、この身に流れる魔術を盾として、バーンチュアは辛うじて塩の魔物の呪いを退けていた。
だからこそ、エヴナが死ねばその盾は一気に崩れ落ちるだろう。
エーヴァルトの孫の王女は、今年の春に正式にその王子に嫁すことが決まった
お前の孫娘の名前はヴェルリアの者に決められてしまったが、あの子供が身籠もる子には、……いや、その先のいつの世代かにはきっと、お前が考えたあの名前が継承されてゆくだろう653
統一戦争の終結後、火刑台に上がらなかったウィームの王子が一人だけいた
絶望の魔物あの雨の日、なぜか絶望の魔物はバンルに手を貸してくれた
そのお陰でバンルは魔物に殺された人間の赴く先のあわいに行った友人が、地上に敷かれたウィームの王族を特定する為の殲滅魔術に引き摺り落とされて消えてしまうのを、辛うじて防ぐことが出来たのだ
こちらに戻るのに二年で済んだ
この元王子を自分の手で殺す為だけに、ヴェルリア軍に紛れ込んだ。
自死出来ないように呪われたウィームの王族達を殺すことの出来るよう、殲滅部隊の対象になるよう選定を受け、訓練をし、あの最後の夜にここで自分の宝を殺した
ウィームの要所を預かるセッター家は、魔術に恵まれた一族だった 王家とも婚姻関係で繋がりが深かったこともあり、統一戦争では根絶やしにされてしまった
ウィーム王はエーダリアに似ていた
淡い色合いの銀髪に淡い緑の瞳。
端正な顔立ちで魔術書を好み、誰よりも竜達に愛されていた
ウィーム王家の血族は根絶やしにするつもりであった
元々、ウィームの王家には代々伝わる隔離地への扉を開く王家の指輪があった。好戦的であった派閥の者達が国を追われた時、その指輪も持ち出されてしまったようだ。あの指輪があれば、我々は国など持たずともひっそりと姿を消してどこか遠くで気楽に暮らしただろう
統一戦争時に火竜の王だった男は統一戦争の二十年後に自死している
自らの持つ槍と共に黄泉路を渡った王の遺言に従い、古い火竜達は決してウィーム王家の末裔を傷付けることはないだろう
唯一人生き残ったウィーム王家の第三王女を、その赤子をヴェルリア王家に迎え入れなければと因果の精霊王に言わせたのは、エヴナであったと言われている
彼の伴侶であった火竜が、その最後の王女をリーエンベルクから連れ出した
リーエンベルクの最後の王女が殺された日、多くの人外者達が失望したそうだ。
だからこそヴェルリア側は隷属の妖精にその汚れ仕事をさせたし、それを知っている者達は彼を責めようとはしなかった。
羽を?がれた妖精が、せめてもの抵抗にと、怯えさせ苦しめて殺すようにと命じられながらも、最後の王女を苦しまずに眠るように逝かせたことが評価された
エーダリアの母 ヒルド632
雪のシーは十五人おり、美しい者達ばかりだった
ウィームが負けた 火薬の魔物と火竜による王都の包囲網があった その外周では死者の行列や災厄が跋扈し、鳥籠が更に厳重に閉ざされていた 加えて、外敵から身を守る為にウィーム側が立ち上げた防壁も頑強であった。ヴェルリアは、リーエンベルクの生き残りを許さないだろう
統一戦争時のヴェルリアの王は、死者の門をくぐったことのある、珍しい人間だからな。契約していた精霊の尽力で息を吹き返した533
アルテアが最終的に手を貸したのは、ヴェルリア側
ディノ 気まぐれに南に手を貸した 暇つぶしの余興
宰相の屋敷に敷かれた結界を剥いだ
ノアベルト 迷い子の救出へ行くが間に合わなかった ウィームの王都より外れたシュタルトに城を作り、王都に足を踏み入れることなくそこに留まり続け、ウィームの迷い子が婚約した年に彼は国を出た
塩の魔物の人間嫌いは、ウィームを落とした指導者が、ヴェルリアの人間の王だったから
今でもヴェルリアの人間は、ウィームの商人を通さなければ塩を手に入れられない ヴェルクレアの現王が、かつて頭痛の種であったウィームを、統一戦争後に強く弾圧しなかった理由 ノアの今の心臓はヴェルリアのバーンチュア、先代の王の心臓
ネリシア ウィームの迷い子王宮制圧時に、婚約者であった騎士と、契約の魔物と一緒に亡くなっている
会長 グレアム 一週間の一部を人間に擬態してウィームのザハで働いている
副会長 霧雨のシーのイーザ 会の全てを取り仕切る
会計 欲望の魔物アイザック 会の運営費などを上手く運用
グラフィーツ
エドモン664 669会員の中では少数派を占める、ご主人様と呼ばない系の会員
ミカ 真夜中の精霊王 639一般会員ながらにも、イーザとの伝達役のような役回りで定着しつつあった
ベージ 639 氷竜で、擬態をせずに会に参加している珍しい会員
一族の中でも騎士団長をしていることから現場の指揮に長けている
会長 バンル 654 ウィームの手袋専門店の店のオーナー
エイミンハーヌ638
アンゲリカの槍のサハナムもかなり熱烈なエーダリアの支持者699