トップへ戻る 登場人物

 1 夜明けの葬列 2019/01/04
 サラ アーサー サラの姉と伯母の死

アシュレイ家の呪い
アシュレイ家の人々は、音楽の神に愛され過ぎたが故に、音楽を生業としない者や、音楽の職を捨てた者は非業の死を迎え命を落とすと言われている。彼等には、降りかかる災難を乗り越え、音楽を愛し続けることが望まれる

ジョーンズワース家の呪い
百年ものジョーンズワース家はアーサーの兄弟の代で絶えるらしい。 火の馬車の呪いと呼ばれており、燃え上がる馬車の絵と共に言い伝えられている。
アーサーは魔法がみたい

 2 アシュレイ家の呪いとパイの魔法 2019/01/06
 サラ アーサー ダーシャ 母の死

サラの髪の毛が真っ白になったのは、父と姉が、初めての親娘共演で家を空けていたほんの三日間でのこと
死神はお母様が連れて行ってあげる
サラは、母親の姿が見えなくなり、二階の窓が開いて、どすんという恐ろしい音が庭の方から聞こえてくるのを呆然と聞いていた。
前を見ていなかった自転車の少年が、歩道を歩いていたサラの母にぶつかり、その衝撃で歩道から公園に下りる階段を転がり落ちた母は、手に深刻な怪我を負いピアノが弾けなくなった

 3 魔法使いの面影と緑の手帳 2019/01/11
 サラ アーサー ダーシャ
本 竜の翅と妖精の杖
アーサーの兄クリストファーの話

ジョーンズワース家の呪いの話
「僕の家の呪いはね、何の決まり事もないんだ」 「何かをしてはいけないとか、何かをしなければいけないということではないの?」 「何もないよ。僕達の代か、その次の代でジョーンズワース家を断絶させる。それだけのことだ。せめて理由を教えてくれると良かったのだけどね」

サラが伯母の手帳をみつける。
私達の呪いは、アレッシオとカテリーナから始まった” そんな一文で、叔母の手帳は始まっていた。

 4 優しい部屋と真夜中の囁き 2019/01/11

ダーシャは今日もサラの家にお泊り
僕は、迷い子だから、記憶や視界に残り難いんだろう。本来はね、こちらにいていいものではないんだ。僕がいるべきあわいの中を考え事をしながら歩いていたら、たまたまこちら側に道が繋がった日だったみたいでね、次に道が繋がる日まで帰れない
僕からの忠告だ。君の叔母上が見付けた、始まりの町を見付けるといい
また次の満月の夜

 5 家族の帰宅と最初の音楽 2019/01/14
サラが不思議な夢をみてから二日後父が帰ってくる
カテリーナについて聞く
アシュレイ最初の音楽家の一人だと言われている 当時のアシュレイ家の当主、作曲家だった彼とそのカトリーナが夫婦になり、音楽家としてのアシュレイ家の名前が世に出た

 6 アルヘイドの歌姫と本の記憶 2019/01/15
カテリーナの話
家系図ではカトリーナ
カトリーナは、夫妻がその国に移り住んでから二年後、忽然と姿を消した
街はずれの古びた橋の上でカトリーナの靴が転がっているのを見た青年は、涙を流して呟いた カトリーナが、初めて音楽以外のものを選ぼうとし、音楽の神はそれを決して許さなかったのだろう
アーサーに手帳をみせる

 7 森のピクニックと恋の話 2019/01/17
サラとアーサーとダーシャでピクニック
サラの家庭教師のことを相談

 8 夕闇の来訪者と山猫の秘密 2019/01/21
ダーシャと話す “満月の夜”の領域を選んで立っている
橋の向こう側の土地からこちらに迷い込んだ存在
 酷い戦争だった。僕達王家の血を引く人間は、例え王族ではなくとも、徹底的に魔術の名簿で名前を管理されていて、殺されるとその場で魂を砕かれた。だから僕の竜は、僕を自分の手で殺して、こうして山猫にすることで助けてくれようとしたんだろう
こちら側での五十年が一年
ウィーム王家の者が国境の町から向こう側の世界に逃げ延びたという話を聞いて、その人に会えないだろうかと思った

 9 渡れる橋と大きな壁 2019/01/22
ダーシャ山猫になる前は、王子
彼女は僕達の暮らす王宮に住み込みで勤めていて、僕の友達の騎士の、大切な婚約者だった
僕の祖父は、それはそれは偉大な王で、魔術師でもあった
可動域 アーサーは、少なくとも二百 サラは、三十
この屋敷の裏手を流れる川の上流のどこかに架かっている橋
ハロウィンの日に、ダーシャが落ちた橋を見付ければ、国境の町に繋がっているのかもしれない

 10 音楽の帳と冷たい眼差し 2019/01/24
サラはその日、父に連れられて近くにある大きな街の歌劇場に来ていた
父の知り合いの、有名なテノール歌手の公演を観に来た
標的になるのはアーサー達の子供の代
サラはアーサーと目が合ったのに一片の揺らぎもなく素通りされた

 11 一輪の薔薇と小さな夜の女王のアリア 2019/01/25
せっかく会いに来てくれたのに他人のふりをしてしまってすまないと謝罪される
お詫びに美味しい卵サンドを作ってくれると約束してくれた
サラ夜の女王のアリアを歌う

 12 幸福な日曜日と霧雨の月曜日 2019/01/29
穏やかで美しい日曜日
アーサーがサラの為に美味しい卵サンドを作ってくれた
アーサーの兄クリストファーも合流して釣りをする
ジョーンズワース家で不幸があった
アーサーの父君 車の事故
サラにしか見えない真っ黒な大きな馬車

 13 口付けと雨音 2019/01/30
父が子供の頃に読んだという、怖い馬車の絵本の話をしてくれた
竜は飛んで行ってしまった。王子はもうここにはいない。そう言えばいい
童話に出てくる呪いの馬車は、竜と王子を探している
絵本には、怖くて美しい竜と、その竜の友人となるお姫様がいる雪の国と、その竜を討伐せんと企む、騎士や魔法使い、そして悪い魔物がいる帝国が出てくる
絵本の中の挿絵は、サラがジョーンズワースの家の前に見たものと同じように思えた
著者の名前には、ローヴァルト・ジョーンズ、ワース
この辺りの土地にはね、古い家に昔からあったほこりが、妖精になるという童話がある 306 魔物と雛玉 2 サラは風邪をひいて体調を崩してしまった
ジョーンズワース家の人達は、暫く、親族の別荘のある国で夫人の療養をすることになった

 14 竜の物語と馬車の物語 2019/02/01
アシュレイ家にのこる絵本の話
子供のころに祝福を貰った雪の国のお姫様が末王子にも祝福を授けてもらおうと竜の元へ向かう途中に隣国の兵士に捕まり馬車ごと燃やされた。魔物へ渡し呪いにされた
白夜の魔物の馬車の呪い(つじどく)が竜の王妃に反応してのろいが発動してしまった。呪いが壊せないので末の王子が犠牲になった

 15 こない手紙とハロウィンの朝 2019/02/03
アーサーからの贈り物二人が出会った日のあの白薔薇のガゼボを思い出させるブローチ
ハロウィンの朝 ジャンパウロがアーサーとダーシャを連れてくる

 16 見える人と車中の告白 2019/02/08
アーサーかジャンパウロの近くにいると、こうして人型で安定しているようだ
サラは万事において、守りたいという気質の方が強い

 17 雪の国の王子と特等の白 2019/02/19
絵本に書かれているのは、ダーシャの先祖の話
雪の国というのは、僕の祖国のウィームという国の史実
僕が血族を探して国境の町を訪ねたのは、この絵本に書かれている王子の消息を訪ねてのこと
ジョーンズワース家に残るその馬車の呪いを作ったのは、白夜の魔物
ジョーンズワースの呪いが始まったとされるのは百年前

 18 不在の橋と霧の向こう 2019/03/13
サラ アーサー ダーシャ
国境の町の入り口

 19 幕間:とある国境の町で 2019/03/15
グラフィーツ
から下げた銀のスプーンで皿の上の砂糖を噛み締める
グレアム様に傷付けられた体を固定させる為に、今は人間の死者の体を借りておられる
アレッシオかつてこの国境の町から向こう側に旅立った、人間だった頃の血族の為に、その記録を集めている
テリーナとかいう小娘が、迷い込んだ哀れな人間達と共に暮らす為に、向こう側に逃げ出すことをアレッシオは止めなかった

 20 国境の町と見知らぬ魔物 2019/04/13
アーサーはウィーム王家の血を引いている。呪いをどうにか出来たとしても、向こう側に戻った段階で、ヴェルリアの敷いた王家殲滅の術式に触れるだけ 五十年はそのまま
国境の町の中心に立派な歌劇場がある。その案内係のレクスという男性の屋敷が、橋のこちら側の区画にあるんだ。僕に、橋の向こうに行ったウィーム王族の話をしてくれた人
最大二時間半
サラ それだけの白を持つなら最高位の竜だが、人間であるようだ。魔物でもあり、精霊でもある気配がする だがその四種族が重なる筈などある訳がない 儀式で外側から違うものに書き換えられたか。贄に出されでもしたものか
辻毒グレアムが退けたと聞いていた


 21 覗き込むものと奪われた靴跡 2019/04/20
サラが魔物にさらわれ食べられそうになったので音楽の神様に祈る
不手際で微妙にずれた同じような場所に出てしまった可能性が高い

 22 聖女の痕跡と魔物の対価 2019/05/22
ここはよく似た別の層ではなく、改変された元の場所だった
元々お前の家が背負っていたそいつを、お前の母親は身に持った聖女の質で、対価を支払う儀式の後、お前の守護に転じさせたんだろう。その結果、お前はあいつの守護を受けている状態に等しくなり、だからこそ、その身に白を分け与えられた
五年、俺とあの魔術師が共に国境域を彷徨った
お前の血筋は、守護においてこそ身に宿す力を生かす
お前には知識と力を貸してやろう。橋を渡る為だけではなく、お前達の一族の呪いとやらを解くのにも協力してやる。…………その代わり、向こうに着いた最初の夜のその真夜中までに俺が、既に見合うだけの対価を得たと納得しなければ、お前の負けだ
グラフと名乗ったこの魔物は、驚いてしまうくらいにピアノが上手

 23 冬の入りと祝祭の足音 2019/05/23
グラフは砂糖を司る魔物
サラのはオードリーがいない世界でアシュレイ家にはない筈の鈴蘭の香水の瓶を小遣いで買った
アーサーは命と願いを対価にして、血に紐付く災厄を守護に置き換えた
アーサーは一度だけ、向こう側には本物の星屑を拾って、カンテラに入れて明かりにするんだよと話してくれた
アーサーと砂糖の魔物との短くも穏やかな日々を過ごした

 24 冬至の準備とユールの橋 2019/05/24
今日はいよいよ、冬至の前日の朝だ
サラはアーサーから一粒真珠のブローチもらう
サラはグラフへ綺麗な細工のある銀のスプーンをグラフに贈る
お庭から森に繋がる、ただの木の橋が向こう側に繋がる ジャンがここで暮らしていたことで、何かが変化したのかもしれない
お前達のどちらかがこちら側に戻れたとしたら、女王の銅像のある公園の並びにある古い屋敷が来年に解体されるらしい。あの屋敷の庭にある、槿の木と楓の木を手に入れておけ。せいぜい二、三十年程度の若木だが、こちら側のものが派生しかけているからな。いい守護になるかもしれん
アシュレイ家の呪いの押さえ方は教わった


 25 国境の町と特赦の舞台 2019/05/25
グラフは、橋で出会った時の白紫色の髪の美麗な男性姿に戻っていて、こちらを一瞥した眼差しは、内側から光を透かすような艶やかな藍青
ダーシャに再会
ジャンパウロは入れ違いを正した事で弾かれた
入場の資格というものも厳密に存在している
三日たっている
五十年に一度の特赦日の開始に間に合った
特赦日に、あの歌劇場で用意された仮面をかぶり舞台に上がれば、失われた者も変えられた者も、本来の姿に戻ることが出来るらしい。その姿で成される願いを申し出た後、観衆の前で一定の承認を得れば願いが叶う
お前とお前の一族を呪う辻毒を隔離する


 26 歌姫と音楽の死神 2019/05/26
カトリーナに会う
アルヘイドの歌姫さんはアレッシオの歌姫 サリフェルドの聞き間違い
大きな橋を渡って、サリフェルドが、今にも死にそうな身重の奥様を連れてこちらにやって 自分を殺した魔物から逃げようとして橋を渡ろうとしていたカトリーナに出会い、カトリーナは瀕死のサリフェルドの妻を慌てて国境域の魔術師に見せようと連れ帰ったが、既に手遅れだったそうだ
責任を感じてそのサリフェルドの面倒を見たのが、カトリーナだった
十八世紀のことだと聞いているので、その時からは二百年近くは経っている
サリフェルドが約束を交わしてしまった音楽を司る者は、元々は予兆や予言などを司る人外者だったそうなの。そこから、新しい閃きや、音楽を生み出す為の直感を得られるものとして信仰を集めたそうだから
アシュレイ家に新しく子供が産まれたら、他の人ならざるものの祝福を借りるようにと言われています
サラ達の近くに暮らす人ならざるものの力を借りて、アシュレイ家の音楽の神を抑えるとしても、そのやり方をまだ決めきれていなかった

 27 魔物の流儀と死者の国の作法 2019/05/27
あれは人間から転属した珍しい魔物だ。ウィームの歌劇場の魔物。元は、地鎮の贄にされたウィームの王族
グラフが死者の国に買った屋敷

 28 お茶会作戦と一本の剣 2019/05/28
二人は橋を渡れたのだろう?であれば、それより以前のどこかで、サリフェルドはこちら側のものに交わっているのかもしれない
ジョーンズワースの呪いは、橋を渡ろうとした僕に付いて来ていたそうで、僕の傍に常にあった
アーサーの過ごした、森と宝石の町での日々
この呪いを壊す事が出来るのは、製作者である白夜の魔物と、標的にされた悪食の白い竜だけ
。あの呪いは、自分の獲物を狙うものだけでなく、その脅威に晒されたジョーンズワースの人間に助かる見込みがないと判断すると、そちらも連れ去ろうとする
パイは、君達もみんな食べていたじゃないか。森にピクニックに行った日のチキンは美味しかった

 29 二人の願い事と窓辺の魔物 2019/05/29
きっと幸せにはなれると思う
私とアーサーはどこかで手が離れても、きっとまた会えるわ。だから、明日の舞台で怖い事があっても、一人でどこかへ行ってしまわないで
小さな水色の宝石は、いつの間にか華奢な鎖が付いたネックレスになっていた
今はウィーム陥落の後
グラフがこの魔物に殺された死者達の国に入ったのは、ダーシャの祖国であるウィーム陥落の少し前

 30 死者の歌劇場と竜の王子 2019/05/31
グラフ義手に戻る
宝石の町に刺繍妖精の店があり、サラに贈ろうと思って、少しずつ祝福石の刺繍を増やして貰ってドレスにした
ダーシャと再会
アーサーは、お前が術式にするよりも前に厄介な事になりかねん。諦めの悪い追っ手が来ている

 31 雪の国と海の国 2019/06/02
劇場に入る
今回の侵略戦争で魔物に襲われ命を落とした、向こう側の騎士や魔術師達もここにはいる
ヴェルリア兵達を辿る形で、ヴェルリアが敷いたウィーム王家の人間を最後の一人まで殲滅するという殲滅術式が、こちらに染み込み始めている
死者の王が来ている
ダーシャは、ドロシー
アーサーに、大丈夫だよって言ってあげて欲しいとバンルに頼む

 32 雪白の歌姫と砂糖の魔物 2019/06/03
サラは、砂糖の魔物をその歌声で絡め取って捕まえてしまうつもりで、歌った
私達が立ち去るこちら側に、いつか、私達の血を引く誰かが戻ってくるのではないかしら
俺の負け 歌劇場そのものを白薔薇で覆った
アーサーは元の場所に帰らせておいてやる サラは人に戻らせるのに少し時間がかかるかもしれない 必ず帰してやる
グラフがアーサーの名前を奪う 名前を奪えば、こちらに残るその名前を知る者には、そのまま記憶が残る

 33 ジョーンズワースの魔術師 2019/06/05
ウィーム王家では、終戦の間際に一人の赤ん坊が産まれたらしい。
最後の夜に産まれたその女の子は、雪の国の子供として誕生の祝福を貰っていなかった事が幸いしたのだそうだ。
そのような子供は魔術の約束で保護される事になっているらしく、海の国の王宮に引き取られていった
ジョーンズワースの呪いは今、とても強い目隠しをされている
かつてジョーンズワースの呪いを作った白夜の魔物と同階位だったジャンだからこそ出来た事で、この呪いはもう、誰かに命を狙われでもしない限りは目を覚ます事はないだろう
アーサーはクリストファーにジョーンズワース家の一人息子で、両親を交通事故で亡くした従兄弟のローレンスと、両親との四人で暮らしている
アシュレイ家には、オードリーという娘の一人しかいない
六年が経った
ウィーム王家に伝わる守護や祝福を呼び寄せる為の特別な呪文で、ダーシャは、きっと君になら使える筈だと教えてくれた。
ジョーンズワースの魔術師なら、きっと叶うよと。
「おいでおいで、優しい子。おいでおいで、美しい子。おいでおいで、私を守る子。おいでおいで、………私を愛する子。…………おいでおいで、私を幸せにする子」
 34 優しくない魔法と約束の森 2019/06/22
一年間も共に暮らしてくれたその魔物
サラは白持ちの爵位ある魔物の歌乞いとなった対価として、橋の向こうで半年近くもの時間を過ごさねばならなかった
戦時中は中立を保った事で綺麗に残っていた公文書の保管施設の一つに、グラフとの歌乞い契約の書類を残した
サラの後見人になってくれたジャンパウロで、ジャンは、サラ達と共に過ごしたあの数ヶ月の出来事と冒険の全てを覚えていてくれた
サラの姓が、グラフィーツ
もし子供が産まれたら、この森の女神の名前を貰おう
森の祝福が結晶化した小さな緑色の石なのよ。…………私がグラフィーツの名前から離れたら、いつかは消えていってしまうみたいだけれど、その時はお庭に埋めるといいみたい。ほどけてゆく祝福が土に還って、庭の花々や木々に妖精や精霊が宿りやすくなる

 35 幕間:グラフィーツ 2019/06/28
グラフィーツはもし彼女が、自分を屈服させる程の歌を歌ったのなら大したものだと褒めてやり、拍手の一つでもくれてやってアーサー共々橋の向こう側に返してやろうと決めていた
グラフィーツの恩寵
部屋に置いたピアノは、弾けばサラが喜ぶので死者の国で購入したもので、グラフィーツは、これまで生きて来た日々で弾いてきたよりも多くサラの為にピアノを弾いていた
手を加えてそこに自分の名前を残せば、それは即ち守護にもなる。 繰り返し声に出し、その音を刻む魔物の名前は、一種の詠唱にも似た効果であちら側に根を張り、グラフィーツの歌乞いに橋の向こう側でのことを忘れさせないくらいの働きはするだろう


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