ラーメン屋さんさんでの撮影 ('02/01/08)
■写真は必要、しかし…

 僕のラーメンページでは写真を使っていない。
 写真を載せない代わりに、なるべく分かりやすい文章で伝える様に心がけているが、やはり『百聞は一見にしかず』、で言葉や数字をたくさん並べても一枚の写真にはかなわないということは感じている。

 では、なぜ写真を載せないのか。

■盛り付け著作権

 ときどき、あっと驚くような美しい盛り付けのラーメンに出くわすことがある。
一枚の絵画にも似た芸術作品。器の模様、具の彩り、スープとのコントラスト、油の煌き。懐石料理にも似た、考えつくされた傑作。

 視覚から得た情報は味にも影響する。一つの技術だということを否応なく思い知らされる。

 ネット上の多くのラーメンサイトでは盛り付け写真が当たり前のように公開されている。その殆どは断りなく勝手にやっているのだろう。
しかし、盛り付けも“技術”とするならば、その扱いがあまりにぞんざいではないか。

 ラーメンに限らず、盛り付け写真の扱いは、音楽/絵画のように何らかの形で保護されるべきで、僕は“盛り付け著作権”と呼んでいいとさえ思っている。

 個人で楽しむまでなら良いとしても、ネットに公開するのは自粛すべきだろう。
僕が写真を使わない理由。それはお店の技術を無断で公開することに対して良心がとがめるからだ。

■許可を得れば良いか?

 ならばお店側に撮影の許可を得ればいいのか?
逆に訊くが『すみません、一枚撮らせてもらっていいですか』と許可を得た写真を掲げて、Webに『こんな不味いラーメン食べた事ない。』と、書く勇気がありますか?

 『すいません…』と言った時点で客観性を欠いてしまうと思う。
万が一、店主が『いいよ〜ウチのラーメン美味いでしょう、美味しそうに撮ってよ!』
などと満面の笑顔で言われたら、あなたはこころを鬼に出来ますか?

 写真云々は元より、店側とやり取りを交わしてはいけない。少なくともこちらから要望は出すべきでない。一介の客を演じるべきだ。
でなければ客観的な判断は出来ない。

 無断で撮るのもダメ。だからと言って断って撮れば客観性を失う。
よって、どのみち撮影は出来ないのだ。

 断って撮って酷評する?酷評できてしまう?…僕はそんな鬼にはなれない。
そこまでしてWebサイトを運営したくない。